香川県の政策に対する中小企業家の要望・提言

ホーム > 主な活動内容 > 調査活動 > 2009年度香川県の政策に対する中小企業家の要望・提言

はじめに

私たち香川県中小企業家同友会(以下「香川同友会」、会員数約1,550人)は昭和51年4月設立以来、自助努力による経営の安定・発展と中小企業をとりまく経営環境の改善に努めてまいりました。現在、全国47都道府県に同友会が組織され、約4万1千名の会員で構成されています。

日本経済は、昨年から原材料の高騰やアメリカのサブプライムローン問題に端を発する金融不安等が引き金になり、一部景気が底入れしたと言われているものの依然として停滞感は払拭されていない状況が続いています。第45回衆議院選挙においては政権の交代が起こり企業の経営環境は益々不透明感を増しています。

同友会では企業の収益が家計に還元され、消費が拡大し、企業の投資意欲を刺激する内需主導型の経済へ転換していくことが、中小企業にとっても、日本経済にとっても重要なことだと主張してきました。そのため、内需主導型の経済の柱に、中小企業対策をすえ、あらゆる政策の制定及び実施に当たっては中小企業に配慮する「中小企業憲章」の制定を国に要望しています。また、都道府県においては「中小企業振興条例」の制定を呼びかけており、近県では徳島県が既に制定しており、多くの県でも制定に向けての取り組みが始まっています。地域経済の発展はその地域企業の大部分を占める中小企業抜きには語れません。

我々同友会会員は、これまで以上の経営努力をしなければなりません。しかし、人材確保難、原材料価格の高騰など自助努力だけでは解決が困難な問題や環境保護や個人情報保護対策、社会保険料負担など社会的コストの増大も、経営を圧迫する要因となっています。各方面の中小企業の経営努力に対する支援が欠かせません。また、中小企業家同友会は、企業倫理の確立を呼びかけてきました。倫理の欠如は、どのような言い訳をしても企業として許されるものではありません。同時に、行政にも、行き過ぎた規制緩和と過度の価格競争を見直し、ルールある市場作りを望むものです。

私たちは、中小企業家として社会的責任を果たすとともに地域経済・中小企業が発展できる環境を創るために本提言書を作成しました。地域の発展のために中小企業に対する一層の政策強化をはかられますよう、ご支援・ご協力をお願い致します。

1.中小企業を産業政策の大きな柱と位置付けた条例を制定し、香川県政策姿勢の宣言をして下さい。

(1)香川県中小企業振興基本条例(仮称)」を制定して中小企業重視の政策姿勢を明確にし、内外へ宣言してください。

香川県において、総事業所数の99.38%(2006年度事業所統計)、総従業者数の91.62%(2006年度事業所統計)を占めている中小企業の維持・発展と地域経済の継続的活性化は一体のものです。新中小企業基本法では、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、中小企業に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する(第6条地方公共団体の責務)」と規定しています。その規定から中小企業政策を産業政策の柱と位置付ける理念を明確にし、教育・文化・環境・福祉など地域社会に関わるあらゆる施策の中に実効性のある中小企業政策を講じることができるように環境を整備することが求められています。その法的根拠として「香川県中小企業振興基本条例(仮称)」を制定することが必要だと考えます。現在私たち同友会が進めている中小企業振興の理念を盛り込んだ振興条例が、全国で制定されつつあります。県レベルでは2002年に埼玉県が初めて制定して以降、茨城県、三重県、福島県、千葉県、熊本県、北海道、青森県、奈良県、徳島県、沖縄県、神奈川県、山口県制定され、現在までに13道県が既に振興条例を制定しています。

(2)「香川県中小企業振興会議(仮称)」を設置してください。

条例制定にあたって、中小企業の持続的活性化に向けた政策立案を図るために、恒常的に中小企業家の声が反映される仕組みが必要になります。地域の実態にもとづいた施策や地域ビジョンなどを議論できるような「香川県中小企業振興会議(仮称)」を、中小企業家を主体に常設することが望まれます。

(3)各市町単位でも活力ある中小企業を育てるための「中小企業振興基本条例(仮称)」の制定を促進してください。

地域中小企業を柱に据えた元気な地域づくりをすすめるためには、各市町が地域特性を考慮した中小企業振興策を策定することが必要です。県が率先して「中小企業振興基本条例(仮称)」を制定し、「中小企業立県香川」を宣言して下さい。それにより各市町においても「中小企業振興基本条例(仮称)」の制定が促進されます。

(4)「中小企業憲章」を制定するよう国に積極的な働きかけをお願いします。

中小企業憲章とは、日本の経済・社会・文化及び国民生活における中小企業の役割を正当に評価し、豊かな国づくりの柱にすえることを国会が決議し、その精神を実現する為のものです。
すでに、EUでは、2000年に「欧州小企業憲章」を制定し、中小企業を「欧州経済のバックボーン」「主要な雇用の源泉、ビジネスアイデアを生み育てる大地」であるとの理念を掲げ、ヨーロッパ経済戦略の中核に中小企業を位置付けています。日本でも、2004年版「中小企業白書」では、「中小企業は過去も現在も将来も経済社会を先導する存在である」と記しており、中小企業を正しく評価する気運が高まっております。私たちは中小企業を「豊かで健全な国民経済の発展を担っていく中核的存在」として位置付け、日本経済に果たす中小企業の重要な役割を、正確かつ正当に評価することを通して、中小企業政策を中小企業重視へと抜本的に転換し、日本でも「中小企業憲章」を制定するよう、国と地方自治体に対して働きかけております。香川県においても国に対して「中小企業憲章(仮称)」制定の働きかけをお願いします。

2.小規模企業を重視した中小企業政策を行って下さい。

(1)中小企業の多数である小規模企業を重んじた中小企業政策に転じてください。

地域サービスなど県民の生活を直接支えるのは小規模企業や小規模店です。また地場産業の多くが小規模企業です。小規模企業は、地域に密着した事業活動が多く、地域にとってなくてはならない存在です。しかしながら小規模企業の経営は大変厳しく、中小企業庁の調査によると、2004年の時点で10年前に存在していた小規模事業所のうち約半数が廃業しています。人材不足、競争の激化や環境への対応など、経済構造の変化により小規模企業にとってますます厳しい経営環境になっています。その様な中で、今後廃業数を上回る開業数は望めません。行政は、効率的行政の名の基に地域産業の革新や新たな産業づくりという一部ベンチャー企業などに偏重されがちな傾向から、地域に密着した小規模企業全般に意識的に目を向けて底上げをはかることを重視した中小企業政策をとることが求められています。

(2)日常的に小規模企業者の実情を把握する体制をとってください。

小規模企業は、個人の技量など個人の資質が発揮しやすい経営形態のうえ、柔軟かつ機動力のある経営対応が可能ですが、経営に必要な情報、専門人材、迅速かつ円滑な資金調達等を有効に活用できなければ経営を継続できないという弱みがあります。そのため身近できめ細かな相談や情報提供など、小規模企業への支援が必要です。

具体的には、①必要施策情報の周知、②身近で実情に応じたきめ細かな相談、③融資支援機能や情報提供及びコンサル機能の拡充、④小規模企業に照準をあてた利用しやすい施策拡充及び運用強化と併せ行政手続の簡素化をすすめてください。そのため特定の中小企業団体にまかせるだけでなく、中小企業の成長段階や地域の実情に即した企業支援、多種多様な小規模企業の課題に対応した、きめ細かな窓口相談など、小規模企業の実情を把握し育成して下さい。

3.特色を生かした地域産業政策を強化して、豊かで安心できる地域づくりをすすめて下さい。

2007年香川県の工業統計調査結果報告書(確報)によると、同年製造品出荷額等は、2兆7318億円(対前年比3.7%増)でした。事業所数は、158事務所減(対前年比6.4%減)で、従業員数は前年に比べ405人(0.6%増)でした。しかしながら、20人以下の小規模企業は、製造品出荷額等、事業所数および従業員数共に減少しています。

香川県の経済活動別構成比で見ると、2006年では製造業21.5%とサービス業20.2%、卸売・小売業16.6%の割合が高く、3業種で全体の58.3%占めており、その動向は県経済に大きな影響を与えています。尚、農林水産業は4年連続減少、製造業は4年ぶりの増加になっています。 

一方、地場産業29業種(かまぼこ、つくだに、みそ、しょうゆ、食酢、清酒、うどん、手延そうめん、冷凍食品、缶詰、手袋、カバン・袋物、ニット製品、製綿・寝具、織物、縫製品、桐下駄、家具、ちり紙、瓦、レンガ、陶管、植木鉢、石材、はかり、ボタン、漆器、和がさ、うちわ)の香川県製造業に対する割合が減少しています。地場産業は、明らかに衰退しています。

(1)県内各地域の特色を活かした内需を成長させる地域産業政策を展開してください。

香川県は、第2次産業と第3次産業が盛んな、工業県であり商業県です。しかしながら地場産業や伝統産業は、年々徐々に衰退しています。香川県の地域産業(特色ある産業)が持続的に成長するために地域経済の推進や香川県の保有する地域の資源や特色を最大限に活かす循環型経済の確立を図って下さい。足腰の強い地域産業政策を展開して、香川県内各地域の中小企業の成長を促してください。

(2)市町村における中小企業振興基本条例の策定を支援してください。

地域の特色ある産業政策や中小企業政策、及び地域環境の課題に応じた独自な地域政策が行えるように条例制定への働きかけと市町村行政体制への支援を行ってください。

(3)安心して働き、消費購買力も高まる、循環調和型の地域づくりをすすめてください。

香川県は、みどり・うるおい・にぎわいの創造を県政の基本方針に据えています。また循環型社会の構築による環境立県を目指しています。その考えを地域政策にも取り込み、循環調和型の地域づくりをすすめてください。大型小売店進出の影響による商店街の疲弊など、地域環境のバランスが崩れ、各種の問題を指摘する声が増加しています。地域住民が安心して暮らせる豊かで潤いのある地域づくり、そして福祉や教育、環境保全、防災対策などを充実させ、地域住民が安心して生活することができ、消費購買力も高まる循環調和型の地域づくりへと強力な推進を行ってください。

(4)地域特産品サポート施策の充実をはかってください。

香川県には優れた地場産品、農産物の地域特産品が存在します。しかし、これまでの県の施策では、県外企業や観光客対象のイベントへの参加や開催に施策が偏在しています。むしろ、地域特産品サポート施策としては、地産地消、地域ブランド確立を目指す上でも県内企業、とりわけ中小企業向け施策を展開するべきだと思われます。商工労働部が県内製造業を中心とした地場産品、また農政水産部が県内農林水産業の特産品の広報活動を展開していますが、農業、製造業と分別せずに広報活動に尽力された方が効率的でないかと思われます。 香川県では、産直所、集落内工場による農産物加工品の製造・販売が活発化しています。しかし、このような加工品を取り扱いたいと希望している県内中小企業は、どこに情報を求めれば良いのか分かりません。反対に、コミュニティ・ビジネス側は、販路やノウハウを持つ中小企業との提携を必要としています。経済産業省の農商工連携政策のように、県は地域のコミュニティ・ビジネスを早急に調査して情報公開し、県内の中小企業との連携を密にして下さい。 香川県では、糖質バイオなど地域ブランド確立事業を推進しています。しかし、現状では地域経済を牽引するほどの産業に成長していません。県内の新たな地場産品開発、あるいは地場産品の改良の企図はもとより、支援施策の強力な推進を展開するためにも、施策の広報の徹底、参入企業の拡大を図って下さい。

(5)行政から中小企業への施策の周知を徹底して下さい。

東京商工リサーチでは業歴30年以上の企業を老舗企業と位置づけています。その老舗企業倒産構成比県別ランキングでは、香川県が2004年に40.9%で、ワースト2、2005年41.3%で、ワースト3、2006年53%で、ワースト1、2007年44.5%でワースト5、そして2008年(1月?9月)は53.8%で現在ワースト1となっています。原因には、資産デフレによる担保価値の目減り、経営環境の急激な変化に対する適応力不足、ブランド・過去の成功体験・既存商品への固執などがあげられますが、行政の政策や助成等、施策の説明不足も要因であると思われます。地域中小企業への説明会等の機会を増やしてください。

4.地域の活力を底支えする地域金融システムの構築を推進して下さい。

(1)金融アセスメント制度『地域と中小企業の金融環境を活性化させる法案(仮称)』の制定を国に働きかけてください。

香川県中小企業家同友会が要望していた「金融アセスメント法制定を求める意見書」を香川県議会で採択頂いたことに敬意を表します(2003年10月21日採択)。同友会においても経営指針書成文化運動をすすめ、自助努力による経営基盤強化に引き続き努めています。

中小企業金融においては、金融庁の指導のもとリレーションシップバンキングの機能強化により、担保や保証人に頼らず、中小企業の経営力を様々な角度から判断する融資のあり方が注目され始めています。しかしリレーションシップバンキングは、銀行側からのアプローチです。地域に密着した中小企業からのアプローチも地域金融システムの健全化には不可欠と考えます。また、各金融機関がリレーションシップバンキングのアクションプログラムを発表していますが、問題は共通した開示項目がなく情報が比較対照できず、利用者には分かり難いものとなっていることです。金融アセスメント法の考え方に沿って「金融による地域貢献に関する情報開示」を有効なものにするためには、第三者による比較対照ができる情報の評価・公表が必要です。香川県独自の第三者機関を設置し、評価・公表が出来るようにすすめてください。

(2)信用保証理念にもとづいた信用補完制度の運用を充実させてください。

公的融資により民間金融機関の融資行動が触発好転して、中小企業が成長循環に入っていけることが政策金融の大きな意義です。単純に決算書や中小企業信用リスク情報データベース(CRD)中心で保証料率決定するだけでなく、リレーションシップバンキングの考え方にそって数値に表れない定性評価も重要な判断基準と位置付け、企業の返済履歴(クレジットヒストリー)や地域貢献度を加味し、中小企業と地域の振興に貢献し、地域の中小企業を育てていくという姿勢を明確にした取り組みを浸透させてください。

5.豊かな人間として育つための教育環境の重視と、人材育成の支援をして下さい。

香川県の総人口は1995年1,027,006人をピークに減少しております。国立社会保障・人口問題研究所の推定では、2035年には総人口は80万人になり、2007年の100万人から20万人減少することが予想されます。特に生産年齢人口比は今の62%から54%に減少すると予想されています。このような少子高齢化及び人口減少社会を見据えた企業活動とその支援施策が必要になると思われます。地域経済の抜本的な再構築を行うためには、地域の中小企業と住民の協力を得ながら、地域産業政策の総合的・系統的な実施を図る必要があります。

(1)「自らの成長力を育む」人材育成を地域社会全体ですすめ、持続的な地域力の向上に取り組んでください。

企業力の根幹が人材とその育成にあるのと同じく、豊かな地域社会を創るすべての礎は地域の人々と共に行う子育てや教育への取り組みが重要です。一人ひとりの子どもと向き合い、自主的な成長や希望を育む教育環境の整備と内容の充実に向けて、現状に応じた丁寧な援助が可能となるように教育体制を充実させてください。

(2)中小企業の若手人材確保に対する支援策を引き続き強化してください。

香川同友会で取り組んでいる共同求人活動やインターンシップ等は年々その効果が上がっております。一部で実施されている地域企業へのインターンシップなどを授業の一環として本格的に制度化してください。中小企業の魅力と正確な情報・知識を発信し、トライアル雇用制度やニート採用について企業現場からの意見や改善策を取り入れて施策の有効性を高めてください。また公共職業訓練や公的セミナー等の内容を求職者や雇用者の教育ニーズ、企業の就労環境に合致するものへ改善をすすめてください。

(3)小・中・高校と中小企業の連携により、地域社会をささえる人材育成をはかってください。

香川県は、「きらめくかがわの高校づくり推進事業」を進めています。「ものづくり香川」を支える地元の中小企業の魅力を伝えるためにも、小・中・高校生等の職場体験学習教育を進めてください。その一環として、企業随時見学会や交流懇談会など、中小企業の最新の実態に触れる機会をつくって下さい。また、職場体験学習教育を進めるため、教師、父母、行政、企業経営者、地域有識者等が協力しあう懇談会やシンポジウム等への積極的な支援を行ってください。

(4)中小企業が利用しやすい人材育成支援策を拡充してください。

税軽減策等を活用した大企業が多数の従業員を教育訓練に派遣しているのに対して、中小企業での人材育成は多くの課題と困難があり、それが格差拡大の一因にもなっています。中小企業における研修期間の公的所得保障や教育訓練給付金の増額補填など、中小企業や小規模企業に照準をあてた利用しやすい人材育成支援策を調査研究して施策の拡充強化をはかってください。特に熟練技術の伝承、先進技術の習得の支援に注力して下さい。また人材不足の中小企業に配慮して、研修の時間や期間を勤務時間外にあわせるように図って下さい。

(5)地域の状況にあわせた雇用制度を整備してください。

少子高齢化及び人口減少社会をむかえるにあたって、労働人口の減少は、地域産業力の低下を招きます。とりわけ人材が資本の地域中小企業において、労働力維持は、地域産業の持続的発展に不可欠です。そのために地域の多様な人材の協働共生関係を確立して地域総合力を高めてください。急増している外国人労働者に対しての住・社会保障・教育環境などの整備をすすめて下さい。また、身体障害者のなかには、複数の業務をこなすより特異的な業務に適している場合があります。障害者雇用における中小企業実態調査や支援策の改善拡充、手続きの簡素化を進めて下さい。さらに、育児介護支援制度の充実や高齢者の能力活用など、公・労・使の各観点からの政策をすすめてください。これらのことは身障者や育児に携わっている女性、高齢者、更には母子家庭など生活弱者にとって大きな助けとなります。更にその効果を高める為、ワークシェアリング助成金の検討を併せてお願いいたします。

6.環境調和、持続的内需成長を図る地域社会形成の推進と中小企業の活用を図って下さい。

(1)地球環境に配慮した資源循環型の持続的発展可能な社会経済システムへの転換をすすめてください。

環境調和型の企業振興と経済システムへの転換は、都道府県レベルでも早急の課題となってきました。また、安心して暮らせる安全で豊かな生活環境は県民全体の切実な願いとなっています。地域循環型の経済システムをつくることで、足腰の強い香川県地域経済として、真の実力が発揮できます。地産地消、エコロジーとエコノミーの統一など、新しい香川の地域ビジョンや具体的課題について、県民・中小企業・大学・各機関各団体など、地域全体を巻き込んだフォーラムや議論が、旺盛に展開されるように支援してください。
香川県は、水と緑に恵まれた、美しい郷土香川の創造を掲げておりますが、香川県がまとめた2007年度の大気汚染・水質測定結果によると、河川で環境基準を達成したのは31河川35水域のうち19水域、達成率は、前年度比9ポイント悪化の54%でした。海域では、7水域のうち5水域で基準をクリアし、同27ポイント改善の71%でした。しかし、全国平均の河川は90%、海域は79%であり、香川県は依然として低水準となっております。香川同友会は、「香川同友の森づくり」の運動として、香川の森林と瀬戸内海の自然環境の改善活動を行っております。新しい環境づくりへの大きな糧となる機会として活かしてください。実質的議論を重視することで、香川の地域性を活かした環境保全調和型の新しい地域経済ビジョンの構築と県民の合意形成、各階層参加者の創意ある主体的な取り組み、中小企業の新規事業への挑戦などを喚起し促進させるようにしてください。環境保全の公共事業や環境配慮型都市への再構築、福祉・防災など生活基盤を整備拡充する事業などに、地元中小企業の活用をはかってください。

(2)地域中小企業への官公庁発注による企業育成と資金循環を推進して下さい。

官公庁発注事業においては、地元中小企業への発注比率を高めて下さい。特に大型事業は分離・分割して地元の中小事業者に優先的に発注して下さい。それは、地域の雇用拡大効果や地域内での資金循環を促すと共に、地元企業の技術育成にも繋がり、内需成長を図る地域社会形成にも有効なことです。

(3)地域の中小企業と連携した観光政策を行なってください。

2008年香川県観光客動態調査報告によると、同年の県外観光客数は8,144千人で前年に比較して68千人増(対前年比+0.8%)でした。県外観光客数が8,000千人を上回ったのは、2007年に続き2年連続でした。しかしながら香川県での推定消費金額は932億円、前年の1,124億円に対し17%の減少でした。観光収益の向上に対しては、観光客誘致だけなく、香川や四国の観光について、名所・旧跡と特産品及び特産品の開発等の組合せで地域中小企業との総合的連携が不可欠です。行政、中小企業、地域有識者等が協力しあう懇談会やシンポジウム等へ積極的支援を行ってください。

(4)計画的な都市計画を行い、中心市街地の衰退を防いでください。

2004年に市街化地域と市街化調整区域の区分けが撤廃になりました。これにより卸売業と小売業の売場面積が、2004年の147万㎡から2009年の156万㎡に増えましたが、これらは郊外型大型店舗の進出によるものです。一方で小売業者の事業所数、従業員数、年間商品販売額ともに減少し、大型店の誘致・進出が香川県の小売業の活性に貢献しているとは言いがたい結果になっております。無秩序な市街地の拡大を抑制し、中心市街地の衰退、空洞化に歯止めをかけ、秩序ある市街地を形成し快適な都市生活を営めるよう指導をお願いします。