■事業発展の本質とは

 当支部直前支部長である中 西利枝氏の体験報告「中西流・ 同友会が楽しくなる方法」は、 タイトルの印象とは異なり、 どうすれば事業が発展するの かの本質に迫る内容でした。 　

中西氏は言います。同友会 を楽しむコツは３つある、と。

1 「ＹＥＳ！はい！喜んで！」 　 と引き受けること

2 仲間を作ること

3 夢（ビジョン）を持つこと 　

この３つは別々の事柄に見 えて、実はつながっているこ とを、報告を通じて感じたの で、まずそのことをお伝えし ます。 　 同友会員は皆、事業の発展 を望んでいるはずです。しか し、ビジョンを持たずして事 業の発展はありません。こう したい！という情熱がなけれ ば、現状以上になろうとする 努力はできないからです。 　

もっとも、そうした情熱を 自分ひとりで燃やすことは難 しいものです。周りからの刺 激や応援を受けるとか、周り の人の役に立ちたいとか、そ ういう動機付けが必要です。 　

そこで、仲間を作ることは とても大切です。仲間とは、 一方的な信用や認知ではな く、相互によく理解し、信頼 しあって初めて成り立ちます （お互い顔見知りなだけの間 柄の人を「仲間」とは呼びませ んよね。）。頼み事を「ＹＥＳ！ はい！喜んで！」の精神で引 き受ける人が信頼されないは ずはなく、この精神は仲間作 りに大きく貢献するのです。 　

かくして、一見「同友会を 楽しむ」ことに焦点を当てた かに見える中西氏のお話は、 事業発展の本質を突いたもの でした。 　

さて、ここで難問に直面し ます。「同友会活動に『ＹＥ Ｓ！はい！喜んで！』の精神 で参加していたら忙しすぎて 本業に支障が出る」という心 配です。ところがこの中 西氏、支部長を務めた （つまり、同友会に関し て史上最も忙しかった） 昨年に、本業で過去最高 益を実現したとのこと。 なぜそんなことができ たのか？ 中西氏という 凄い人だからできたことで、自分には無理！そう思った方も多いはずです。しかし、よく考えてみると、ここにも事業発展の本質につながる話が隠れていました。
　
例えば、あなたがある業界の人に仕事を頼みたい状況にあるが、その業界の内部事情はよく知らないものとしま
す。心当たりがあるのは２人、ＡさんとＢさんです。Ａさんは、同友会活動に積極的で、役職を引き受けたり、例会にもよく参加します。Ｂさんは、役職を受けたことはなく、例会参加率も低い人です。あなたは、どちらに依頼しますか？依頼や紹介をしようとする人は普通、その依頼先の業界のことをよく知りません。果たして、この
人に依頼（紹介）しても大丈夫だろうかと、一度は考えるわけです。そんなとき、同友会活動に積極的に参加
し、貢献している人と、そうでない人がいるとして、どちらに頼もうと考えるかは明白です。
　
このように、同友会というのは様々な業種の「共通言語」になるのだと思います。同友会への関わり方を通じてその人を推し量る、ということを無意識のうちにしているのです。これまでは、漠然と同友会活動に熱心な人だと思っていただけでしたが、この報告を通じて、やっと中西氏が実行してきたことの意義がわかった気がしました。
　
支部や委員会で積極的に役職を引き受け、忙しくなる中でタイムマネジメントを上達させ、気付けば事業が伸びて
いる。理想的なサイクルの中で、今日も中西氏は夢（ビジョン）に向けて突っ走っています。
　
（弁）のぞみ総合法律事務所　　　　　
　弁護士　池内優太／記
　

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