- 高松第1支部
『社員との信頼関係が本当の資産』~どうすれば社員と思いを共有しいきいきと働いてもらえるか~
update.2023年05月01日
報告者:㈱松 代表取締役社長 松村 幸太氏
「社員に信頼される会社とは」、「人を生かす会社とは」というテーマでご報告をいただきましたのは、㈱松です。
離職率が非常に高い介護業界で、職員からの圧倒的な支持と定着率を誇る企業です。
2012年に設立された㈱松は、急成長を続けており、現在職員数110名を超える介護事業所です。
創立者である松村氏は現在37歳。今回は最前線で活躍されている職員を中心とした7名の方に様々な視点からの経験・体験・熱い想いをお話しいただきました。
〈職員の目的や夢を応援する〉
代表の松村氏は「職員の一人ひとりにドラマやエピソードがあり、それが集合した組織が㈱松です。会社は職員の目的や夢を応援するという方針を取っている」と言います。
松村氏は決して恵まれた環境で起業したわけではないようでした。
松村氏に、リクルート時や適材適所・人員配置で重要視している点を問うと「採用時のミスマッチを無くす。会社の理念と職員のしたいことが一致するかの確認。そのためにその方の背景や物語、目標などをしっかり聴くことが大切」と答えられました。続いて「自分は人より出来ない。だから信用し任せる」とお話しされるこの謙虚な姿勢こそが、会社の成長の秘訣であると感じました。
〈生きるということ〉
今の時代は、会社を経営していく上で「KPI」と呼ばれる数値目標を設定し、それを論理的に、また効率良くこなしていくやり方が高く評価される傾向にあります。もちろん、それがビジネスで必須なのは疑うまでもなく、㈱松もしっかりと結果を残されています。
しかし、数値はあくまでも目標であり、大切なのはその先にある『目的』です。㈱松のそれは「在宅介護で看取れる世の中にする」でした。
そこで働くメンバーは機械ではなく、人間です。承認欲求、自分が必要とされる感覚、何のために存在し、頑張るのか。今回の例会を通して感じたのは、㈱松が大切にされているのは「生きるということ」そのものではないかということです。
仕事や生活面におけるコンピューター、AIの発達や、活用が目まぐるしいこれからの時代、私たちが人間である、ということがより浮き彫りになっていきます。絶対的な答えなどあるわけがないのですが、しかし、そこで働く方々の表情がすべてを物語っているのではないでしょうか。
経営や職場の環境をよりよくするヒントは無数に転がっています。これからも皆様と共にアンテナを伸ばし続け、人と人の思いを大切に仕事に邁進して参りたい、そう思わせていただいた例会でした。
このような機会を与えてくださった同友会の皆様には心より感謝申し上げます。
㈱ヒトニギリ 代表取締役 古井 和貴氏/記