- 小豆島支部
『小豆島の観光を考える』~「観光による地域活性化の可能性」観光×島づくり×地元企業~2023.3.24
update.2023年05月01日
報告者:せとうち観光専門職短期大学 准教授 石床 渉氏
〈はじめに〉
今回の例会は「地域づくり」をテーマにした第1グループの最後の例会で、小豆島支部特有の内容でした。テーマとしては「小豆島の観光を考える」サブテーマに~「観光による地域活性化の可能性」観光×島づくり×地元企業~と題して、せとうち観光専門職短期大学の准教授であります石床 渉氏を招き、講演会を開催しました。
せとうち観光専門職短期大学とは、2021年4月に高松市に開校された文字通り観光に特化した大学となります。また講演者の石床氏は小豆島出身で、前職は神戸、マレーシア、香港のホテルにてマネージャーを務められ、帰郷後に小豆島観光協会事務局長として第1回瀬戸内国際芸術祭の開催に合わせて小豆島の観光をまとめてこられました。
結果、落ち込みかけていた小豆島の基幹産業である「観光業」の盛り上がりの兆しを創った立役者の一人でもあります。そんな小豆島外はもちろんの事、島内の事も十分熟知された方だからこそ、講演に期待される方も多かったのか、ゲスト参加も多く見られた例会となりました。
〈観光の課題は地域の課題〉
講演内容としましては、小豆島だけではなく香川県全体、全国的な「観光業」の移り変わりを歴史背景と共に再認識することで、どの地域においても産業、文化、歴史と観光が各々密接に関係している事、併せて、その長年にわたり培われた地域の独自性、価値ある多様なものを繋ぎ合わせることが「地域の魅力」に繋がると改めて認識しました。だからこそ観光の課題は地域の課題であり「観光業」が地域の主要経済の一つであるとも逆説的に認識するに至りました。
次に、これまでの問題提起に対し、その解決策として他地域の成功事例ではなく、小豆島内での「お遍路文化」の事例を基に説明をしていただいた事で、地域の課題解決には「観光業」だけではなく、様々な事業が関係している事も実感でき、参加者からも「なるほど~」との声も聞くことがありました。
島に新たな施設を創るのではなく、固有の価値あるものを利用し滞在時間を長くする事、使わなくなった場所や物に再度光を当てることでの交流人口を図る解決策についての話では、香川大学生が立案した「ナイトプール」の事例から「体験する重要性」と「地域愛の醸成」が結果として地域の活性化に繋がり、地域の人々の「やりがいや生き方の質の向上」にも繋がるといった「シビックプライド」の話までもあり、あっという間の講演でした。
その後の討論も各テーブルとも大変盛り上がり、これから我々が具体的に何ができるか一つずつ見直して実行できればと感じた大変有意義な例会でした。
㈱丸島ハウジングサービス 代表取締役 高橋 秀年氏/記