中讃第2支部の9月例会は環境経営委員会、三豊支部との合同で開催しました。県外からの報告者であることと、共同求人委員長もあって
Zoom参加を含めて90名を超える人数での例会となりました。

【10年ビジョンの策定】　
川中氏の会社はケータリングサービス事業が主ですが、新入社員が入社した際に社員の親から大学を卒業してまで働く業界なのかと
問われたそうです。その時に会社がどのように成長していくのか、夢のある会社と感じてもらうためにも10年ビジョンが必要だと感じたそうです。現在は当時の10年ビジョンを達成されて新たなビジョンを策定して次の10年を目指していらっしゃいます。

【経営理念の成文化と社内の共有】　
新入社員が入社しても1年ほどで全員が離職されました。単に採用しても会社が受け入れる態勢が整っていなければ社員は続かないと考え、自社の存在意義と仕事に誇りを持ってもらうようにする社員教育の必要性を思い知ったそうです。食にまつわる仕事なので、生産現場である農家と関り合い、地域で自社に何ができるか、困っていることに対してどのように対応していくかを実践していきました。
　
耕作放棄地を農地に変え、レストラン事業、産直市を始めて、社員と地域の人たちを巻き込んだ活動を続けていくうちに社員の離職率はほとんどなくなり、社員の自主性が芽生えてきました。また、「社員は会社のために働いているのではなく、自分の幸せのために会社で働いてい
る」と教えられたことから、人を生かす経営を確立するために経営指針を細分化、成文化されました。

【コロナ過を経て】　
ケータリング事業が主な㈱EVENTOSにとって、コロナ禍の到来は絶望的なことでした。大幅な赤字が出て約2年で倒産するという予定
も建てたそうです。しかし、その時も社員が2年の猶予があるならば何ができるかと経営指針に沿った自社分析、SWOT分析などを徹底的
に行い、自社のすべきこと、やらないことなどを決断した結果、大きな損失を避けられただけでなく、他の地域で疲弊した温泉街の再生事業
にも取り組まれました。

【まとめ】　
中小企業は地域の中で存在します。会社が地域からのニーズに応えて、地域にとって必要な存在になるべきです。また、社長一人では
いろいろなことは出来ず、社員が必要です。社員が幸せになるために会社があるので、いかに誇りとやりがいと成長を与えられる会社
にするべきかを経営者が常に考え続ける必要があります。そのために、経営理念とビジョンを持って、経営指針に沿った事業の継続が大
切なのだと改めて教えていただいた例会報告でした。　 社員と地域の為に会社があることを忘れることなく、邁進していきます。
　
㈲ハッピー不動産　
代表取締役　
岡崎裕幸／記（中讃第2支部）