同友会大学 第25期カリキュラム 2018.7~2018.12
第1講 独立中小企業を目指そう ~事業分野に関する戦略、市場開発に関する戦略、組織・人材に関する戦略~
- 開催日
- 2018/7/25(水)
1990年代以降、大企業による生産の東アジア化が急速化し、中小企業市場の大幅縮小、下請け単価の激落等、中小企業問題の未曽有の悪化が見られました。もはや大企業に日本経済を牽引する力はありません。中小企業は「自分の仕事は自分で創り出し、正当な価格を貫く」独立企業へ脱皮し、地域の中核企業として産業復興の担い手にならなくてはなりません。そのために必要な3つの経営戦略を考えます。
講師 : 嘉悦大学ビジネス創造学部/教授 黒瀬 直宏
1944年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了。専修大学商学部教授などを経て、現在、嘉悦大学ビジネス創造学部教授。博士(経済学)。おもな業績:「独立中小企業を目指そう」(同友館 2015年)、複眼的中小企業論~中小企業は発展性と問題性の統一物~」(同友館 2012年)など。
第2講 企画脳になろう ~企画力・PR力アップ編~
- 開催日
- 2018/8/9(木)
故・伊丹十三監督は、映画作りの秘訣を聞かれた時に「人の望むものを予期せぬカタチで提供する」ことだと答えました。企画もそうだと思います。もちろん伊丹監督は天才ですが、企画脳は生まれ持ったものではなく、後天的に伸ばすことができるそうです。いつもいいアイディアが浮かばない。センスがないからいい企画が出せない。そういう風に思ってないでしょうか?では、どのようにアイディアを生み出していくのでしょうか。さあ、【企画脳】になりましょう。
講師 : 百十四銀行 営業戦略部 行員/映画監督・脚本家 香西 志帆
高松市出身在住。百十四銀行に勤務しながら、映画作家として活動中。主な作品に、「猫と電車ーねことでんしゃー」、「恋とオンチの方程式」、うどん県PRムービー「ウドン・オブ・ミュージック」MV「盆栽たいそう」ほか。また、昨年のユニクロブランドプロモーションムービーやJAICA50周年のドキュメンタリーなど数多くの海外ドキュメンタリー映画も手がける。2009年全国社内報企画コンペティション 金賞、2012年高松人間力大賞準グランプリ、まちおこし賞、2015年、高松市文化奨励賞受賞。
第3講 世界中のお母さんに安心安全な出産を ~大学初シーズの商業化とソーシャルビジネス~
- 開催日
- 2018/8/22(水)
日本では産科施設が10年で2割減少する一方で、高齢出産は全出産数の3割近くとなり、医師と妊婦双方のリスクを押し上げていきます。発展途上国では妊婦検診の受診率が遥かに低く、母子死亡率は日本の数十~数百倍となっています。これらの課題の解決の為、大学発の技術を商業化し、遠隔妊婦健診のためのIoTデバイスとプラットフォームの開発・販売を手がけています。「社会課題解決」と「ビジネス」の関係や、「大学発シーズ」の「商業化」の困難さなど、お話しできればと思います。
講師 : メロディ・インターナショナル(株)/代表取締役CEO 尾形 優子
京都大学大学院工学研究科原子核物理学専攻 修士課程修了。2002年 周産期産科電子カルテ(株)ミトラを企業。「Japan Venture Awards 2009」起業家部門中小企業長官表彰。2015年 「メロディ・インターナショナル株式会社」設立。四国情報通信懇談会運営委員、日本遠隔医療学会運営会議議員
第4講 再考・農は国の基なり ~「改革」の嵐の向こうを見据えて~
- 開催日
- 2018/9/13(木)
農業もJAも、規制改革推進会議と緊密な連携をとった官邸主導の農業政策により、「改革」の渦中にあります。本講では、古くより指摘されてきた「農は国の基なり」という視点から、農業をはじめとする一次産業の存在意義に軸足を置き、人口減少社会における地域経済のあり方を考えます。具体的には、次の三点に焦点を当てます。①平成農政・JA改革の問題点、②農業とJAの存在意義、③人口減少社会における地域経済の展望。
講師 : 岡山大学大学院環境生命科学研究科教授 小松 泰信
鳥取大学農学部卒業。京都大学大学院博士課程修了。1983年長野県農業地域開発機構研究員、1989年より石川県農業短期大学助手、1992年石川県農業短期大学講師、1995年同助教授、1998年岡山大学農学部教授、2005年同大学院教授。
第5講 日本の現在の食の危機をどうする? ~遺伝子組み換えと種子に関する世界動向~
- 開催日
- 2018/9/28(金)
多くの人の知らぬ間に日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物の輸入国となり、その承認数でも世界一となってしまいました。TPPなどにより自由化が進む上に日本のコメなどの主食を支えていた主要農作物種子法までも廃止され、日本の食はかつてない危機にあるといえます。どうすればいいのか、考えます。
講師 : 日本の種子を守る会事務局アドバイザー 印鑰 智哉
1961年生まれ。東京大学卒業後、アジア太平洋資料センター、ブラジル社会経済分析研究所、(株)オルタートレード・ジャパンなどを経て、現在、フリーの立場でグローバルな食の問題について問題提起を続けている。日本の種子(種)を守る会事務局アドバイザー。
第6講 人類にとって21世紀最大の贈り物ニーム ~人と自然が共生する地球環境を創る~
- 開催日
- 2018/10/9(火)
陸上、海上、上空で勤務した経験が、「人と自然が共生する地球環境を創る」ことの重要さを考えるきっかけとなった。1945年以降、目覚ましい勢いで社会生活が進化する一方、自然環境が侵され、自然の恵みである「水、空気、大地」にも悪影響が出ている。私たちは元気な地球で生まれ、元気な地球を後進にバトンタッチする責務がある。国連が「人類にとって21世紀最大の贈り物と称賛するニーム樹を使った豊かな地球環境を創り、及び、社会生活で人が喜ぶニーム樹の利活用の現状及び将来性について話をさせていただきます。皆さんにも、元気な地球づくりに「今、何ができるか。」考えていただきたいと思います。
講師 : ヒューマニック・インフォ/代表 平井 秀人
香川県小豆島出身。1983年 海上自衛隊幹部候補生学校 第82期一般幹部候補生課程卒業 対潜哨戒機(P-3C)操縦士。2005年 ニーム樹が「農業分野」「健康分野」「環境分野」で安全に利活用できることを普及するために、インド政府/NGOニーム財団の協力・支援を頂きながら日本国内で事業活動を続けている。「よくわかるニーム」2010.12、「ニーム樹情報」2014.08「ニーム樹」2015.11.11、「素晴らしいニームハンドブック」2018.2.6著作
第7講 日米安保の経済学 ~憲法、自治、平和、抑止力の舞台裏~
- 開催日
- 2018/10/25(木)
自衛隊は「軍隊」ですか?「軍隊」なら憲法違反ですか?憲法違反なら「自衛隊は廃止」しますか?それとも憲法を変えて「軍隊」を認めますか?GNP1%、国家予算5兆円を投じる「国防・防衛費」の経済効果は?日米の安保は、いざというときに日本を守ってくれますか?その確証は?思いやり予算も含め駐留諸経費7,500億円の費用対効果分析の結果は?みんなが知っているようで知らない!知りたくない!知ってはいけない!安保と憲法と経済の話を紹介します。
講師 : 沖縄国際大学大学院教授 前泊 博盛
1960年沖縄生まれ。駒沢大学法学部政治学科、明治大学大学院政治経済学研究科博士前期課程修了(経済学修士)、琉球新報記者、編集委員、論説委員長、九州大学大学院助教授などを経て現職。著書に「本当は憲法よりも大切な日米地位協定入門」など多数。
第8講 中小企業を取り巻く経済情勢と同友会型の企業づくり ~グローバル化を克服する同友会の21世紀版3つの目的の実現に向けて~
- 開催日
- 2018/11/8(木)
トランプ政権の保護貿易強化による貿易摩擦激化の懸念、イランとの核合意の一方的破壊、突然の米朝会議など世界の政治・経済状況は混迷の度を増し、先行き不透明度は高まる一方です。また国内では政治不信が高まる一方、アベノミクス効果が大々的にマスコミを通じて流布されていますが、地域経済や中小企業にその恩恵は届いていません。中小企業憲章が示しているように持続可能な経済社会の主役は雇用の7割以上を支える地域に根差した中小企業です。鳥の目と虫の目の複眼でグローバル化の下で中小企業を取り巻く経済環境の何が、どのように変わり、同友会運動と中小企業の役割と課題はどこにあるのか、をともに考えましょう。
講師 : 駒沢大学経済学部教授 吉田 敬一
1949(昭和24)年9月9日 大阪市生まれ。同志社大学大学院商学研究科博士課程修了。駒沢大学経済学部教授(経済学博士)、中同協企業環境研究センター座長。中小企業論・地域経済論専攻。主著『中小企業と地域インキュベータ』『転機に立つ中小企業』など。1977年第1回中小企業研究奨励賞準賞、1994年中小企業研究奨励賞本賞受賞。
第9講 景気の現状と先行き見通し
- 開催日
- 2018/11/21(水)
わが国の景気は緩やかに拡大しています。企業収益は過去最高水準となっているほか、雇用情勢も大きく改善しています。一方で、景気回復の実感が伴わないとの声がなお多く聞かれるほか、人手不足が企業経営上の大きな課題となっています。本講義では、景気の現状を分析するとともに、先行きの見通しについてお話しします。そのうえで、香川県の経済・産業構造の特徴や、香川県が直面している中期的な課題についても考えてみたいと思います。
講師 : 日本銀行 高松支店長/正木 一博
1967年、大阪府生まれ。1991年、東京大学法学部卒業、日本銀行入行。国際通貨基金(IMF)出向、金融市場局市場調節課長、企画局政策企画課長を経て、2017年6月より高松支店長。
第10講 同友会運動の歴史と理念から学ぶこと ~私たちは何を継承、発展させるのか~
- 開催日
- 2018/12/13(木)
第二次世界大戦後、廃墟の中から「日本経済の真の担い手は中小企業である」との高い志と使命感を持ってたくましく立ち上がった同友会運動の先人たち。その情熱と理念を引き継ぎ今日の同友会運動が形成されていきます。「同友会の三つの目的」の実現を掲げ、「自主・民主・連帯の精神」で運動を推進し、「国民や地域とともに歩む中小企業」をめざし進めてきた同友会運動。時代と闘う激動の歩み、理念形成のプロセスから時代への継承、発展の課題を考えます。
1943年 北海道美唄市に生まれる
講師 : 中小企業家同友会全国協議会顧問/国吉 昌晴
1962年 北海道大学入学
1966年 北海道大学教育学部卒業
以後6年間地域経済研究機関で地域経済の研究及び書誌の編集に携わる
1972年 北海道中小企業家同友会に奉職、事務局次長となる
1974年 事務局長に就任
1984年 北海道中小企業家同友会を退職 中小企業家同友会全国協議会に奉職 事務局次長となる
1985年 中小企業家同友会全国協議会事務局長となる
1996年 中小企業家同友会全国協議会専務幹事となる
2006年 中小企業家同友会全国協議会副会長を兼任
2012年 中小企業家同友会全国協議会副会長専任となる
2015年 中小企業家同友会全国協議会顧問となる